- 曲名
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前奏曲第15番「雨だれ」Op.28-15
- 作曲者
- F.ショパン
- 紹介文
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ピアノの詩人と言われるショパンの代表作、『雨だれ』の誕生の裏には地中海で花開いた愛の物語がありました。
甘いロマンスだけでは語れない、ショパンのある壮大な野望が、この曲に隠されています。
ショパンは1838年、恋人であった女作家のジョルジュ・サンドと共に、2人のスキャンダルを騒ぎ立てるパリから逃れる逃避行と、肺結核を患っていたショパンの静養の為、地中海に浮かぶマヨルカ島に滞在しています。
ある日、サンドはショパンを残し買い物に出かけます。
突然の嵐が島を襲いサンドの帰りが夜遅くになってしまいます。
彼女が帰ると、残されたショパンは不安に苛まれながら作曲したばかりの曲を弾いていました。
この曲こそ雨音で彩られた『雨だれ』です。
ショパンは病魔に襲われようとも、作曲の手を止めることはありませんでした。愛するサンドと共に聞いた雨音、そして死の淵をさまよった時の雨音が刻み込まれているのです。
曲想から感じられる雨音のような旋律は、優しさと美しさを感じます。
中間部は暗い雲に覆われたかのように重苦しい雰囲気で、病に苦しむショパンの不安な心理を表現しているようです。
最後は、苦しみから解放されたかのように、穏やかな雨だれの音だけを残して静かに終曲します。
- 価格
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390円(税込)